相次ぐ訃報に打ちひしがれていたら、愛用の古びた眼鏡のフレームが不意に壊れ、眼鏡屋に相談したら修理不能だという。結局レンズごと新品を注文したのだが、誂えるのに一週間かかるという。眼鏡なしには外出も儘ならぬ小生は、いろいろ気掛かりな用件を抱えつつ、今日も大人しく在宅。午後は久米宏のラジオ番組を聴いて過ごす。
折角の春日和なのにどこにも出かけられないのは口惜しく、その捌け口となる気晴らしはCD鑑賞くらいしか思いつかない。眼鏡を欠いては読書もヴィデオも原稿書きもほぼ不可能だからだ。
今日2月23日はエドワード・エルガーの命日。亡くなった1934年から八十五年の歳月が流れている。遠い昔ではあるが、小生はそのうち六十七年を生きたわけだから、遥か彼方の出来事ともいえない気がする。
たまたま一昨日、講演を聴きに上京した折り、時間潰しでお茶の水の中古レコード店で拾い上げたエルガーを聴くことにしよう。
"Elgar: Sir John Barbirolli conducting the Halle Orchestra"
エルガー:
チェロ協奏曲*
エニグマ変奏曲**
チェロ/アンドレ・ナヴァラ*
ジョン・バルビローリ卿 指揮
ハレ管弦楽団1956年6月21、23日**、1957年5月21、22日*、マンチェスター、フリー・トレード・ホール
Precision PVCD 8384 (1986)
→アルバム・カヴァーLP時代にはパイ(Pye)レーベルから出ていたバルビローリ指揮による1950年代のエルガー録音。ナヴァラを独奏者とするチェロ協奏曲は九年後のデュ・プレ独奏盤(EMI)ほど白熱せず、地道に淡々とノビルメンテを醸成する。《謎》の変奏曲は一転してバルビローリの表現意欲が炸裂した凄演である。
どちらもLP時代から何度も再発されてきたが、本CDでは名高いエンジニア Michael J Dutton がリマスターを施し、音質が大いに改善した由。なるほど、たしかに明瞭な音で聴ける。ただし、チェロ協奏曲のほうはステレオのマスター・テープが未発見のため、モノーラルのままなのが残念だ。