いよいよ2018年も大つごもり。
歿後百周年ということで、今年はドビュッシーに明け、ドビュッシーに暮れた一年だった。
ロト&レ・シエクルの《牧神》と《遊戯》、ミンコフスキ指揮の《ペレアスとメリザンド》全曲の実演に触れたし、青柳いづみこさんのアルバムにライナーノーツを書く機会にも恵まれ、ささやかな記念展示も担当した。プロコフィエフ来日から百年でもあったのに、こちらはさっぱり盛り上がらなかったな。
そんなわけで、2018年の締めくくりに紹介するアルバムもドビュッシー。今年になって録音され発売された、正真正銘の「記念盤」。大手レーベルにありがちな過去の音源の寄せ集めではない、インディーズの気概を示す、心のこもった真のオマージュである。
"Claude Debussy / Marius Constant"
ドビュッシー:
《牧神の午後への前奏曲》
コンスタン:
《ペレアスの印象》
ドビュッシー:
《白と黒で》
メリザンド/ロール・ビノン
ペレアス/イーヴ・サーレンス
ゴロー/ピエール=イーヴ・プリュヴォ
アルケル/テイル・ファヴェイツ
ジュヌヴィエーヴ/アンジェリック・ノルデュス
イニョルド/カミーユ・バウエル
ピアノ/
インゲ・スピネッテ+ヤン・ミヒールス
2018年4月6~10日、ブリュッセル音楽院
Fuga Libera FUG 610 (2CDs, 2018) →アルバム・カヴァー
二台ピアノによる二枚組のドビュッシー・アルバム。《牧神》(作曲者自らによる編曲版)と《白と黒で》はそれぞれ馴染が深い曲だが、二曲目の《ペレアスの印象 Impressions de Pelléas》は、少なくとも小生には初耳である。
それもそのはず、これが《ペレアスの印象》の世界初録音であるらしい。フランスの作曲家マリユス・コンスタン(1925~2004)が1992年にドビュッシーのオペラ《ペレアスとメリザンド》を二台ピアノ伴奏用に編曲したものだそうだ。迂闊にも全く知らなかった。
しかも単なるピアノ版ではなく、独自に編んだ短縮ヴァージョンというのがこの編曲のミソ。原作が約百五十分かかるところを九十分に縮めてあるのだが、聴きどころはしっかり押さえているので、ドラマとしても充分に愉しめる。
ドビュッシー好きならば聴き逃すべからざるアルバムであり、2018年の大晦日に聴いてこそ感慨が深い一枚。
それでは皆さん、よいお年を!