すっきり目覚めてラジオを点けると、NHK-FM「名演奏ライブラリー」で英国の指揮者リチャード・ヒコックスが特集されている。今年が歿後十年になるのを期して組まれたものだという。
選曲リストは以下のとおり。なかなか凝ったものだ。
ウォルトン:《ロンドン市の栄誉を讃えて》
ロンドン交響合唱団&ロンドン交響楽団 (1984)
クィルター: 三つのイギリス舞曲
ノーザン・シンフォニア管弦楽団 (1989)
ディーリアス:《告別の歌》
ワインフリート・シンガーズ、サザン・ヴォイシズ、
ボーンマス交響合唱団団員&ボーンマス交響楽団 (1993)
ティペット: 交響曲第二番 より 第一楽章
ボーンマス交響楽団 (1994)
グレインジャー:《マーチング・チューン》《日曜日には私は十七歳》《アイルランド、デリー州の調べ》
ジョイフル・カンパニー・オヴ・シンガーズ
&シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア (1996)
グレインジャー:《岸辺のモリー》《モリスもどき》
BBCフィルハーモニー管弦楽団 (1997)
ヴォーン・ウィリアムズ: 交響曲 第四番
ロンドン交響楽団 (2001)
あれほど将来が嘱望され、英国随一の巨匠の座が約束されながら、録音セッションのためカーディフを訪れ、突然の心臓発作で急逝。六十歳の働き盛りだった。2008年11月23日のことだ。
今しがたディーリアスの《告別の歌》が流れ始めると、もういけない。こみあげる涙を抑えることができない音楽である。
そしてグレインジャー。これらが新譜で出るたびに胸弾ませて封を切り、夢心地で聴き入った日々のことを懐かしむ。