プロコフィエフ来日百年を寿ぐ記念レクチャー「1918年夏の日本滞在64日間を検証する」を終えて、今ちょっと虚脱状態。大荷物を帯同して早稲田までの往還は難儀だったが、それほどひどい雨降りではなかったのは幸いだった。今日だったら台風接近で中止せざるを得なかっただろう。
プロコフィエフ日記の公刊版(ロシア語&英語)を持参したほか、プロコフィエフが英語で語る肉声をお聞かせし(1937年1月、ニューヨークでの放送録音)、来日時に彼が弾いた大田黒元雄邸のピアノによる《マ・メール・ロワ》(青柳いづみこ&高橋悠治の連弾)も流した。十枚ほど持参したそのCD「大田黒元雄のピアノ」もほぼ完売した。
参集者二十名。肝心のレクチャーのほうは、規定の三時間ではとても語りつくせず、話題にできぬまま積み残したエピソードも多々あり、それが心残りなのだが、終わってから「面白かった」と何人もの方から声をかけてもらい、ほっと安堵。一か月かけて準備した労苦が報われた思いである。