一昨日・昨日と見学旅行の引率で新潟の里山を旅してきた。目覚めると足腰が痛い。どこでぶつけたのか、脹脛には大きな青痣ができている。
なので今日は在宅して休養日を決め込んでいたら、午後になると外がやけに騒がしい。そうだ、近在の夏祭りなのだ。そうなると野次馬気分が首をもたげ、喧噪のなかを一巡したくなる。ソース焼きそば、鶏の唐揚げ、ホットドッグ、泡たっぷりの生ビール、冷やしたラムネとかき氷。金魚すくい、射的、コリントゲーム、同好会のフラダンス、子供神輿、エレクトーンの模範演奏。毎夏お馴染の光景といえばそれまでだが、これ抜きでは夏が終われない。気がつくと日暮れがずいぶん早まった。
8月25日はレナード・バーンスタインの誕生日だという。しかも今年は生誕百周年。同時代を過ごしたにもかかわらず、作曲家としても指揮者としても、小生にはなぜか遂に縁遠いままの人だった。手元にあるディスクもほんの数点なので、とても記念日を壽げそうにない。
それよりも今日はサマークリスマス。TBSのアナウンサー林美雄さんの誕生日を称して、ご当人がこう呼び始めた。曰く「夏にもクリスマスがあっていいじゃないか」。ご健在だったら七十五歳になられるはずだが、2002年に急逝された林さんはずっと五十八歳のままだ。
本棚から一冊の旧作を抜き出す。柳澤健さんが書いた林さんの評伝『1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代』(集英社、2016 →書影)だ。帯の惹句から引く。
ユーミン、八月の濡れた砂、タモリ、野田秀樹――。あの音楽も、映画も、才能も、この人が見つけた! 伝説の深夜ラジオパーソナリティ・林美雄と70年代の実相に迫る、青春ノンフィクション。
世評の高い労作だが、冒頭の一ページ目から自分の名が出てくるので、未だに冷静に読めない。わが青春時代がそれだけ林さんの影響下にあったということだ。刊行から二年。少しは客観的に読めるかな?