註文原稿といえば決まって締切日、それも夜遅くやっと仕上がるものと(小生的には)相場が決まっているが、珍しくも朝方に早々と脱稿した。まだ暗いうちから書き始め、早朝四時に仕上げて編集部に送ってしまった。
短い作文は冒頭の導入部分が成否を決する。ここさえうまく定まればあとは成り行きで書けてしまう。昨晩は就眠中も夢うつつ、ずっと書き出しを考えていたらしく、これはという妙案を思いついたので「ユーレカ」とばかりに起床し、そのままキーボードに向かったのだ。
そんなわけで今日は寝不足気味。さっきまで少し午睡し、まだ頭がぼうっとしている。BBC Radio 3 のポッドキャストで、昨晩(6月18日)生中継されたばかりのオールドバラ音楽祭の面白そうなライヴ番組を発見。これを流しながら、また少しうとうと夢の続きに忍び込もう。
"Knussen conducts Birtwistle"
Aldeburgh Festival Ensemble and Oliver Knussen give a concert with two UK premieres and a world premiere, live from Snape Maltings. Presented by Ian Skelly.
モートン・フェルドマン:《メアリ・アンの主題》
ドビュッシー(ブーレーズ補筆):《ビリティスの歌》*
ハリソン・バートウィッスル:《聖なる森》の三つの歌**(英国初演)
朗読* &ソプラノ**/クレア・ブース Claire Booth
オリヴァー・ナッセン指揮
オールドバラ・フェスティヴァル・アンサンブル
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ヴァソス・ニコラウ: 連弾ピアノのための《フレームズ》***
追悼楽譜集《クロード・ドビュッシーの墓》より
■ マリピエロ: 讃歌
■ バルトーク: 無題 (ソステヌート、ルバート)
■ グーセンス: 無題 (モルト・モデラート・コン・エスプレッシオーネ)
■ ストラヴィンスキー: 管楽器のためのサンフォニーの断章
■ デュカ: 牧神の遥かな嘆き
ハリソン・バートウィッスル:《キーボード・エンジン》****(世界初演)
ピアノ/
ピエール=ローラン・エマール
&タマーラ・ステファノヴィチ*** ****
In his eighties Harrison Birtwistle is as uncompromising, poetic and provocative as ever, and any new work from him commands attention. This concert has two, performed by close friends and collaborators: a major two-piano work written for Tamara Stefanovich and Pierre-Laurent Aimard, and the first British performance of Three Moth Songs, settings of the poetry of the eminent American Robin Blaser. Oliver Knussen (dedicatee of one of these songs) directs a hand-picked ensemble. There’s also new music by Vassos Nicolaou (a wedding gift for the Aimard-Stefanovich duo) and two rarities; Debussy’s narrated mini-drama sets prose-poems to music of ravishing sensuality, and a rarely-heard collection of tributes compiled to mark Debussy’s death 100 years ago yields alluring piano miniatures from no less than Bartók and Stravinsky amongst others.
2018年6月18日、スネイプ・モールティングズ、ブリテン・ステューディオ(オールドバラ音楽祭ライヴ)
→ポッドキャスト(一か月間試聴可能)
英国の聴衆たちは自国のバートウィッスル作品の初演に耳を欹てただろうが、小生はなにはさておきドビュッシー。劇付随音楽《ビリティスの歌》のブーレーズ編曲版(チェレスタのパートを補筆)が演奏されるのは貴重だし、名手エマールが楽譜集《クロード・ドビュッシーの墓》(1920)から五曲を披露するのも、歿後百年の今年ならではの床しい企てだ。
イングランドの海岸の村まで出向くのは難儀だが、こうして千葉の海浜で居ながらにして昨晩の演奏が聴ける。また愉しからずや。