よく晴れた今朝は家人に誘われるまま、散歩がてら近隣の躑躅の開花具合を見て回った。場所によって品種によって差はあるものの、どの生垣の躑躅もあらかた蕾が膨らんで、小ぶりな久留米躑躅などはもう満開に近い。例年より一週間は早いかもしれない。
"Works for Violin and Piano: Brahms - Bach - Schubert"
ブラームス: ヴァイオリン・ソナタ 第一番
バッハ: 無伴奏パルティータ 第一番 ロ短調 BWV 1002
シューベルト: ロンド ロ短調 D.895
ヴァイオリン/エリザベス・バティアシヴィリ
ピアノ/ミラーナ・チェルニャフスカ
1999年10月、2000年9月、サフォーク、ポットン・ホール
EMI 5 74017 2 (2001) →アルバム・カヴァー
昨夜その最新アルバムを聴いたサカルトヴェロ出身のヴァイオリン奏者リサ・バティアシヴィリ ლიზა ბათიაშვილი のデビュー・アルバムである。このとき彼女はファーストネームを「エリザベス Elisabeth」と名乗っていた。
小生はたまたま彼女の演奏を英国BBCのラヂオ番組で聴き、混じりけのない素直な音楽性がいたく気に入って、このアルバムを手にしたのだと思う。むろん中古盤でであるが。
久しぶりに耳にして、これは若い奏者にしか成し得ない特別な演奏だと痛感した。屈託や邪念なしに、ひたすら真っ直ぐに音楽に帰依する。そのストレートな献身の姿勢がなにより潔く、貴いものに思われる。
とりわけブラームスの《雨の歌》ソナタ。数ある名盤に伍して、バティアシヴィリ嬢の演奏に取り柄があるとすれば、このソナタの匂い立つような初々しさを、他の誰の演奏よりも馥郁と実感させるからだろう。ジャケット写真が示すように、録音時の彼女は芳紀二十歳だった。