先週は何故かずっと不調でぐずぐず在宅した。微熱が出たり、全身が怠かったり、頭痛がしたり。心配なので医者に診てもらったが別条はないとのこと。頭痛なんて滅多にないことなので心配になった次第である。
診断が吉と出たので安堵し、日曜日は早起きして家人を誘って品川へ。プリンスホテルに付随した映画館で英国ロイヤル・オペラのライヴ・ヴューイングのアンコール上映とかで《フィガロの結婚》をやっている。昨十二月の公開時(
→その拙レヴュー)風邪気味で観られなかった家人に是非とも見せたかったのだ。上映は11時45分からたっぷり四時間の長丁場だが小生も家人も大満足。ここまで演劇的に熟した《フィガロ》はそうそうあるものぢゃない。前回やや不満に思った女声陣にも(同じ映像なのに)不満は全くなし。スザンナも伯爵夫人もまさに適役。
暖かい日だ。このまま帰宅するのも癪なので、駅とは反対側の高台に歩を進め、そのまま高輪界隈の裏通りをそぞろ歩く。寺があちこちに点在する古びて閑静な一帯だ(マンション群に浸蝕されつつあるが)。東海大学キャンパスを過ぎたあたりで曰くありげな広壮な邸宅をみつけたが、表札のない謎めいた門構えで人の気配は全くない。帰宅後ちょっと調べたら、この一郭は肥後細川家の下屋敷だった場所で、高松宮が戦前ここに高輪御殿を建てて住んだ。戦後は「光輪閣」なる迎賓施設・結婚式場となった由。「キャンティ」開店前の川添浩史(紫郎)がその支配人を務めたのは知る人ぞ知る話だ。
伊皿子坂
(いさらこざか)なる坂道をだらだら下ると住居表示は「三田」に変わり(古くは「御田」と表記したそうだ)、急に賑やかな界隈になったと思ったら、表通りの第一京浜に出た。慶應大学の前で信号を渡って再び裏道へ。密集する呑み屋群(たいがい日曜は休み)を尻目にしばらく進むと都営地下鉄の三田駅。ここから日比谷まで移動し、馴染の店「パパス・カフェ」で遅い昼食(というか早めの夕食)。ここのパスタはそこそこ美味しいし、なんだか懐かしい味がする。珈琲も旨い。
家人の万歩計によると、一万三千歩を超えていた。A marché, a beaucoup marché!