とうとう八月になってしまった。懸案の原稿の締切は七月末。現状は41,000字余。約束の四万字を少し上回り、註を含めると五万字を超えている。あとは結尾を少し書き足せば終了だ。昨日は冗漫な修辞や不要箇所の刈り込みに追われた。こんな長大な文章をそもそも誰が通読するのかという疑念はさておき、どうにかこうにか脱稿できそうなのが悦ばしい。途中で緊張が途切れて何度も中断し、浅学菲才の我が身を呪った。これでは完走できないかもしれないとの恐怖に苛まれること一再ならず。こけつまろびつ這う這うの体でスタジアムに戻ってきた。あとはトラックを一周しゴールするだけ。もう当分こんな苦しいマラソンはこりごりだ。