月が改まっても遅々として進まぬ原稿執筆に苦しめられている。そうこうするうち、初夏のように爽やかな数日は過ぎ去り、今にも梅雨に突入しそうな鬱陶しい雨模様の日々の到来だ。いやはや、でも致し方あるまい、我々はこういう風土に暮らしているのだ。欧羅巴の六月がつくづく羨ましいが。
せめて味覚だけでも爽快感を味わおうと、このところ生野菜サラダが必ず食卓に上っている。あり合わせのレタス類と晒した玉葱、穎割れ大根の新芽を混ぜ合わせ、彩りにトマトを賽の目に切って載せる。もしも八百屋の店先で
ホワイトセルリと称する新野菜を見かけたら、これがサラダにお薦め。見た目は三つ葉さながら細長く伸びた白い茎が香ばしく(
→これ)、食感もしゃきしゃき好ましい。
そうそう、云い忘れていたが、我が家でサラダが大人気なのには、少し前こういう簡便な調理器具(
→これ)を手に入れたことも大いに貢献している。
写真では一見なんの器具か判然としないかもしれないが、商品名を「OXO クリアサラダスピナー」といい、要は野菜の水切り用具である。こういうふうに(
→写真)上部の突起をプッシュすると、その圧力により内部の野菜籠が猛スピードで回転し、遠心力のはたらきで水分が撥ね飛ばされるという仕組みである。単純な構造ながら水切り具合もよろしく、実によくできている。あとで洗うのも容易。
スーパーで同種の器具をいろいろみたが、たいてい上部に回転ハンドルが付き、それをぐるぐる手廻しする仕掛けになっていて、いかにも操作が厄介そうだし、じきに壊れてしまうのが目に見えている。少し前TVの「キューピー三分クッキング」で料理の先生がこの押し釦式の水切り器を使うのを観て、「これだ! これにしよう!」と頭頂ランプが閃いて、早速アマゾンで当該機種を探し当てて註文した。
やっとわかった、生野菜サラダには水切りが肝心である。鮮度と並んで、これが美味しさの秘訣なのだ。えっ? そんなの常識だって? おあとがよろしいようで。