夕食後のデザートにようやく西瓜を食した。実はこの夏初めてである。何を今頃になってと云う勿れ。いつも八百屋に行く度毎に西瓜を買おうとするのだが、傍らで家人が決まって「まだまだ盛りぢゃない」と言う。そうして隣に積まれたたわわな桃や無花果のほうに食指が伸びる。その繰り返しだったのだ。
そうこうするうち八月も中旬、青物市場が休暇に入ってしまい、八百屋は先週一週間ずっと閉まっていた。休み明けの今朝いそいそ出向いたら、店頭に並ぶ山梨の桃はもう盛りを過ぎたのか果肉が堅く色もイマイチ。代わりに色とりどりの葡萄や梨が幅をきかせている。季節の移り変わりを否応なく感じさせる瞬間だ。
このままだと西瓜も終わってしまう──咄嗟にそう判断して、六分の一にカットされた大ぶりの奴に手を伸ばした。この大きさで二百円台は随分お徳用だろう。
さてその最初の西瓜の美味しさといったら! 甘く瑞々しく、しかも果肉のサクサク感が堪らない。これぞ八月の風物詩。せいぜい今のうちに西瓜を食べるぞ。