英国から届くツイートを読んでいて今日が
フレデリック・ディーリアスの誕生日だと教えられる。そうであった、きっかり二年前の今日、小生は英都テムズ南岸の楽堂で作曲家の百五十回目の誕生日を祝ったではないか。
そうと知ってしまった以上、黙って手を拱いている訳にいかなくなった。このところ新着CDとはご無沙汰なので手元にあるのは中古で手にした旧譜ばかりになるが、今夜はディーリアスを聴きながら静かに眠りに就こう。
"A Delius Festival"
ディーリアス:
告別の歌(ホイットマン詞)
マルコム・サージェント卿指揮
ロイヤル合唱協会&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
季節外れの燕(フェンビー編)
ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団
日の出前の歌
マルコム・サージェント卿指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
夏の夜に水面で歌うために
テノール/ロバート・ティア
フィリップ・レッジャー指揮 ケンブリッジ・キングズ・カレッジ聖歌隊
楽園への歩み ~歌劇「村のロミオとジュリエット」
メレディス・デイヴィス指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
シナラ(ダウスン詞)
バリトン/ジョン・シャーリー=クァーク
チャールズ・グローヴズ卿指揮
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
前奏曲 ~歌劇「赤毛のマルゴ」
メレディス・デイヴィス指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
さすらい人の歌(シモンズ詞)
ロンドン・バッコリアン・シンガーズ
ラ・カリンダ(フェンビー編) ~歌劇「コアンガ」
ジョージ・ウェルドン指揮 フィルハーモニア管弦楽団1965、1969、1965、1976、1973、1969、1968、1977、1962年
EMI Eminence 7 64569 2 (1988)
→アルバム・カヴァー潤沢なEMI音源からトマス・ビーチャム卿の指揮した録音を敢えて除外し、さまざまな演奏家による珠玉の演奏ばかり選りすぐった贅沢な七十分のアンソロジー。ディーリアスのエッセンスを集約したような一枚だ。合唱曲、管弦楽曲、声楽入りの管弦楽曲をバランスよく配した選曲も秀逸。因みに七曲目の「赤毛のマルゴ」前奏曲とは最晩年の「牧歌(田園曲)」の導入部と同じ音楽である。
"Delius: Paris, Double Concerto, Cello Concerto"
ディーリアス:
パリ──大都会の歌
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲*
チェロ協奏曲**
ヴァイオリン/タズミン・リトル*
チェロ/ラファエル・ウォルフィッシュ* **
チャールズ・マッケラス卿指揮
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団1991年6月1~3日、リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
EMI Classics for Pleasure 5 75803 2 (1991)
→アルバム・カヴァーともすれば忘れられがちなマッケラス卿によるEMI録音。彼のディーリアスは他のいかなる指揮者とも違って、雰囲気に流されず明確なくっきりした輪郭が際立つ。それにしても二人の独奏者の巧いことといったら!
ディーリアス: パリ──大都会の歌
サン=サーンス: ピアノ協奏曲 第二番*
チャイコフスキー: 交響曲 第五番
ピアノ/ベンジャミン・グローヴナー*
シャルル・デュトワ指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団2012年8月14日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(プロムズ実況)
Dirigent DIR 1039 (2012, bootleg CD-R)
生誕百五十年のBBC Proms は空前のディーリアス・ブームに沸いた。幾晩もあった実演から珍しいシャルル・デュトワのディーリアス(拙レヴュー
→倫敦巴里)。ロイヤル・フィルのシェフとして当然なすべき務めを果たしたのであろう。