うとうとしながらPCラヂオで「バラカン・モーニング」を点けたら、いきなりバーズの「
ターン・ターン・ターン Turn! Turn! Turn!」が流れてきた。この歌の作り手である
ピート・シーガーが亡くなったのだという。同曲については以前ここでも少しだけ話題にしたことがある(
→ターン、ターン、ターン、
→その歌なら知ってるわ)。正確を期すならシーガーは「ターン・ターン・ターン」の作曲者であり、作詞者は(なんと)紀元前十世紀のソロモン王なのだ。
その後バラカンさんはシーガーが所属したウィーヴァーズのヒット曲「
ライオンは寝ている Wimoweh (Mbube)」、「
おやすみアイリーン Goodnight, Irene」(ライヴ)をかけ、ブルース・スプリングスティーンの歌う「
ウィー・シャル・オーヴァーカム」や、ご当人による「
フォーエヴァー・ヤング」(リヴァータウン・キッズとの共演)を続けざまにかけて追悼した。享年九十四というからまさしく大往生だろう。
アメリカン・フォーク・リヴァイヴァル・ムーヴメントにおけるピート・シーガーの足跡については、改めて強調するまでもあるまい。「
花はどこへ行った」も「
天使のハンマー」も彼の創作だし、ディランもサイモン&ガーファンクルもスプリングスティーンも岡林信康も高田渡もシーガーを始祖と仰ぐチルドレンだったのだから。
小生に興味があるのはピート・シーガーの際だって特殊な出自である。彼の父親は高名な民族音楽学者チャールズ・シーガーであり、その妻でピートの継母にあたるルース・クロフォード・シーガーは米国きっての前衛音楽の作曲家だったからだ。シーガー家から連綿と繋がる米国音楽の系譜について、いつか調べてみたいと念願しながら果たせないでいる。