つい先ほど友人から教えられたのだが、
モーリス・センダックが亡くなったのだそうだ。享年八十三(
→NYタイムズの訃報)。まあ致し方ない年齢だろう。それにしても絶句するほかない。
なんだか待ち構えていたみたいだが早速一枚のCDを取り出す。こういうときは悲しむのぢゃなく、陽気な音楽を聴いて不世出の天才(まさにそうだった!)を偲ぼう。
"Carole King *Really Rosie*"
01. Really Rosie
02. One Was Johnny
03. Alligators All Around
04. Pierre
05. Screaming and Yelling
06. The Ballad of Chicken Soup
07. Chicken Soup with Rice
08. Ave. P
09. My Simple Humble Neighborhood
10. The Awful Truth
11. Such Sufferin'
12. Really Rosie (Reprise)
原作・作詞・美術・動画監修/モーリス・センダック
作曲・歌/キャロル・キング1974年録音
Ode/Epic/Legacy EK 65742 (1975/1999)
正直に告白すると世評の高い絵本『
かいじゅうたちのいるところ』も『
まどのそとのそのまたむこう』もなんだか好きになれなかった。いかにも心理学者や精神分析家の喜びそうなプロットが鼻について嫌で堪らなかったのだ。
センダックだったらもっと他の作品、素のままの自分自身に正直な、ニューヨーク下町の悪ガキがそのまま大人になったような悪戯好きモーリスの面目躍如たる愉快な作品をこそ愛する者だ。
だから追悼盤として聴くのはこのディスクを措いてほかにない。ブルックリンでの多感な青年期、センダックが近所で見知った勝気でおしゃまな実在の少女ロージーとその仲間たちを回想・活写したTVアニメのサウンドトラック。その主役を演じ唄うのに同じ街に生まれ育った
キャロル・キング以上の適役が考えられようか?
センダック曰く「
キャロルと僕はブルックリンではまあ近所同士みたいなものだ。彼女こそ誰よりもリアリー・ロージーだったし、今だにずっとそうなのさ」。
大切にしている同名の楽譜集をそっと繙きながら聴いていたら、懐かしさと愉しさと哀しみが入り混じって同時にどっとこみ上げてきた。さようなら、モーリス。