月初は久し振りにBBCラジオ3を聴く。朝っぱらから目の醒めるような快演だ。つい先日(4月25日)英国南西部ドーセット州で催された「ロシアの夕」。
Lighthouse, Poole, 25 April 2012
Stravinsky: Fireworks (Feu d'artifice)
Prokofiev: Sinfonia Concertante for Cello (Symphony-Concerto)
Tchaikovsky: Sleeping Beauty -- Highlights
Bournemouth Symphony Orchestra
Kirill Karabits, Conductor
Truls Mørk, Cello
「空櫃」というウクライナ起源のいささか奇妙な苗字を最初に見かけたのはジョゼフ=ギー・ロパルツの「氷島の漁夫」ほか秘曲集なる意外なCDだったのだが、
キリル・カラビツは2009年にボーンマス交響楽団の首席指揮者に就任してから何かと話題になる機会が多く、ディスクでもプロコフィエフの「道化師」やらカバレフスキーのチェロ協奏曲の伴奏やらで才能の片鱗を披瀝した。
当夜の演奏もなかなか手堅く達者な手綱捌き。各楽器のバランスやブレンドに長じており、光彩陸離たる色彩を巧みに醸し出す。とりわけ独自の選曲に拠るチャイコフスキーが秀逸。いつか生で確かめてみたいものだ。それもできれば手兵と一緒に。