こうなったら続きを聴こう。「
ティレジアスの乳房」といったら、このディスクに止めを刺す。といっても手許には三種類しかないのだけれど。
プーランク:
歌劇「ティレジアスの乳房」
仮面舞踏会
テレーズ=ティレジアス/バーバラ・ボニー
亭主/ジャン=ポール・フーシェクール
憲兵/ヴォルフガング・ホルツマイア
座頭/ジャン=フィリップ・ラフォン
プレスト氏/マーク・オズワルド
ラクーフ氏/グレアム・クラーク
新聞記者/ゴードン・ギーツ
息子/アンソニー・グリフィ
新聞配達女/坂本朱
東京オペラ・シンガーズ
斎藤記念管弦楽団
バリトン/ヴォルフガング・ホルツマイア
ピアノ/ミシェル・ベロフ
ヴァイオリン/矢部達哉
チェロ/堤剛
オーボエ/宮本文昭
クラリネット/カール・ライスター
ファゴット/小山昭雄
トランペット/ティモシー・モリソン
打楽器/中谷孝哉、加藤訓子
指揮/小澤征爾
1996年9月、松本文化会館
Philips 456 504-2 (1998)
全くもって仰天して言葉もない。こんな凄い歌唱と演奏がわがニッポンで実現したなんて! とはいえ、思いの儘に贅沢放題のキャストと世界から選り抜いた腕自慢の奏者集団を自在に操れるのだから、成功の半分は既に保証されたようなものだが、残りの半分は紛れもなく指揮者の類まれな音楽性の賜物だ。小澤はなんと丁寧に繊細にプーランクを紡ぎ出すことだろう! 彼は維納でこそこのオペラを上演すべきだったのだ。まあ間違いなく場違いな選曲ではあったろうが。
(まだ聴きかけ)