今日も上京して晝から夕刻までぶつ續けに佛蘭西語の勉强會。不馴れな言語と首つ引きで格鬪したので精も根も盡き果てた。歸路途中から車窓に白いものがちらつき始め、程無く本降りに。驛から自宅まで歩く間にすつかり雪塗れになる。
冷え切つた體を炬燵で温めつゝドビュッシーの續き。今夜は專ら管絃樂曲を。
ドビュッシー:
海
■ 海上の曙から眞晝まで
■ 波の戯れ
■ 風と海との對話
第一狂詩曲*
月の光 ~ベルガマスク組曲 (アンドレ・カプレ編)
二つのアラベスク (ユベール・ムートン編)
沈める寺 (レオポルド・ストコフスキ編)
小組曲 (アンリ・ビュセール編)
■ 小舟にて
■ 行列
■ メヌエット
■ バレエ
パゴダ ~版畫 (パーシー・グレインジャー編)
=====
夜想曲
■ 雲
■ 祭
■ シレーヌ**
歡樂の島 (ベルナルディーノ・モリナーリ編)
グラナダの夕暮 ~版畫 (レオポルド・ストコフスキ編)
舞曲(ステュリア風タランテラ) (モーリス・ラヴェル編)
亞麻色の髪の乙女 ~前奏曲輯 第一輯 (William L. Gleichmann編)
ヒース野 ~前奏曲輯 第二輯 (パーシー・グレインジャー編)
子供の領分 (アンドレ・カプレ編)
■ グラドゥス・アド・パルナッスム博士
■ ジャンボの子守唄
■ 人形のセレナード
■ 雪が踊つてゐる
■ 小さな羊飼ひ
■ ゴリウォグのケークウォーク
ジェフリー・サイモン指揮
フィルハーモニア管絃樂團
クラリネット/ジェイムズ・キャンベル*
フィルハーモニア合唱團(女聲)**1990年1月2~6日、倫敦、ハムステッド、聖ヂュード=オン=ザ=ヒル敎會
Cala CACD 1001/ 1002 (1991)
二十年程前に出た姉妹盤の撰輯だが、内容は實にユニークで數多あるドビュッシー管絃樂アルバムとは大いに趣を異にしてゐる。何しろ御當人が手掛けたオリヂナル作品は「夜想曲」「海」「第一狂詩曲」の僅か三曲のみで、殘りは悉く別人の手に爲る管絃樂編曲(原曲は何れも洋琴曲)なのである。
しかも其の布陣が凝りに凝つてゐる。廣く人口に膾炙したカプレとビュセールの編曲(ドビュッシー公認版)や昔から知られる莊嚴なストコフスキ版「
沈める寺」に加へて、永く忘れ去られた稀少な編曲を博搜し録音したジェフリー・サイモンの勞苦は讃へられていい。全部が上首尾とは云へないものの、グレインジャーが創意工夫を盡くした「
パゴダ」「
ヒース野」の二曲(世界初録音)は目も覺めるやうな素晴らしさ。此等が聽ける丈でも二枚のアルバムの存在意義は誠に絶大と云ふ可きだ。