まだまだ本調子には程遠いのだが無理して外出、竹橋の美術館へ。閉館間際の三十分間、二階の展示室(ギャラリー4)で「
原弘と東京国立近代美術館」を心して鑑賞。小規模ながら回顧展の体裁をとり、学生時代の水際立った試作から禍々しくも圧巻の戦時プロパガンダ誌『フロント』へ、そして開設と共に始まる同館のポスター群へと、常に格調高く絶妙なバランスを保つ王道デザインが開陳される。素晴らしいの一言。とりわけ壁全面にずらり並んだ展覧会ポスター群(1952~75)の真摯な創意工夫に目を奪われる。原弘は至高のデザイナーなのだ。
六時閉館と共に退出、一階で「
ジャクソン・ポロック展」オープニングに。予めカタログをざっと眺めておいたので、圧倒的な大作が含まれないことは承知していたのだが、実見すると「こんな筈ではない」「これではなあ」という無念さが滲む。全生涯を辿る丁寧な展示であるだけに、絶頂期の炸裂を存分に味わえないのは画龍点睛…どころか巨龍の頭部をまるごと欠いた思いがする。
帰宅は十時近く。悪寒と疲労。そのまま炬燵に入ったらどっと眠気に襲われた。