1月22日。晴時々曇。雲間からの陽射しが心地よい。日曜日とあってテムズ河畔はいつになく賑わっている。南岸の遊歩道を十五分ほど歩いてテイト・モダンを訪れてみると、ここも老若男女で大盛況。特に展覧会をやっている時節ではないのにこの繁盛ぶりは羨ましい。特に何を観るというアテもなしに館内をそぞろ歩いてみた。もちろん入館無料。以下はメモランダム。
■ ダダとシュルレアリスムの大展示室。特に著名作はないものの、選り抜きのコレクションに感心する。とりわけ、
ジャコメッティ、ドーラ・キャリントン、シュヴィッタース、ジャクソン・ポロック。
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ジョン・ハートフィールドの写真コラージュ。鋭利な諷刺と卓抜の発想に目を瞠る。
■ 英国唯一という
カジミール・マレーヴィチのスプレマチズム絵画。この世ならぬ彼岸的な佇まいに圧倒される。とりわけ非現実の色調。
■ 新収蔵作品として日本の新興写真に一部屋が充てられていたのにはちょっと吃驚。
山脇巖・道子夫妻の旧蔵品として、戦前のロシア絵本『これは何ですか?』がケース展示されていた。巖がソ連で入手したものという。
生憎ロスコ・ルームは閉まっていたが、まあいいや。これだけ観たら満腹。
そのあとサウスバンクに戻ると、ナショナル・シアター(NT)とブリティッシュ・フィルム・インスティテュート(BFI)それぞれの書店を物色。ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(RFH)に入っている書店「フォイルズ」も覗いてみる。ケン・ラッセル監督の追悼記事の載った雑誌、バレエ興行主ルネ・ブリュムの評伝、『巨匠とマルガリータ』漫画版(!)等々。
そろそろ時間だ。RFHの階段を上がる。今日も「プロコフィエフ・フェスティヴァル」。
(まだ書きかけ)