厄介なデスクワークに追われている。膨大な数の文章からアンソロジーを編む。ざっと全体に目を通してはみたものの、ここからの選定が至難の業なのだ。ふう。
一息つこう。年が明けて最初のプロコフィエフ。手許にありながら久しく敬して遠ざけてきた大作オペラをCDで聴いてみる。
プロコフィエフ:
歌劇 『修道院での結婚 Обручение в монастыре』
ドン・ジェローム/ヴャチェスラフ・ヴォイナロフスキー
ドン・フェルディナンド/アンドレイ・ブレイス
ルイザ/リューボフィ・ペトローワ
乳母/アレクサンドラ・ドゥルセネワ
ドン・アントニオ/フセヴォロド・グリヴノフ
クララ/ニーノ・スルグラーゼ
メンドーサ/セルゲイ・アレクサシュキン
ドン・カルロス/アラン・オーピー
アウグスチン師/ジョナサン・ヴェイラ ほか
ヴラジーミル・ユロフスキー指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
グラインドボーン歌劇場合唱団
2006年8月12、15、22日、グラインドボーン歌劇場(実況)
Glyndebourne GFOCD 002-06 (2008)
なにぶん露西亜語のオペラなので、歌詞は対訳の英語から知り得るのみ。粗筋を追うのがやっとなのだが、聴こえてくる音楽は極上である。
それもその筈、作曲された1940年前後、プロコフィエフの創作力は絶頂期にあった。バレエ『ロミオとジュリエット』、オペラ『セミョーン・コトコ』、映画《アレクサンドル・ネフスキー》サウンドトラックに続き、三つのピアノ・ソナタ(第六、第七、第八)も既に腹案段階にあり、第五交響曲やバレエ『シンデレラ』の構想作曲も間近に迫りつつある──そういう時期のプロコフィエフが精魂を込め、且つ愉しみつつ書いた。
(まだ聴きかけ)