今日は冬至なのだという。道理でヴェランダの外気が冷たい。
部屋で震えていると昼前にチャイムが鳴って宅配便の小包が届いた。待ちに待った『
芸術新潮』最新号(一月号)の到来である。
巻頭を飾るのは〈
ベン・シャーン 「世直し画家」の真実〉。渾身の力を籠めた大特集は七十数頁にも及び、その充実ぶりは葉山の展覧会カタログに一歩も引けをとらない。雑誌ならではの機敏な取材力も随所に光る。自分も執筆の末席に加わったのでいくらか我褒めになってしまうが、それでも声を大にして必読必見と叫びたい。愛情と敬意に満ちていて、頁を捲るにつれ「好きにならずにはいられない」。
今夜は柚子湯でたっぷり温まった。寝床でまたぞろ頁を繰るのは無上の幸せだ。惨めで陰鬱な年の瀬に天からそっと届けられた贈物だとすら思える一冊。店頭に並ぶのはクリスマス・イヴになる由。