家人は朝からいそいそと英会話に出掛けて留守。先ずは熱い珈琲を淹れる。今日も巴里発信のウェブラジオを聴きながら読書に励むとしよう。
ストラヴィンスキー:
イタリア組曲
バルトーク:
ヴァイオリン・ソナタ 第二番
ブラームス:
ヴァイオリン・ソナタ 第一番
Janine Jansen, Violon
Itamar Golan, Piano
2010年3月14日
シャトレ座
この人の名をなんと呼べばいいのか、オランダ人名はいつも悩ましい。「ヤニーネ・ヤンセン」か「ジャニーヌ・ジャンセン」か、通例の「ジャニーヌ・ヤンセン」はオランダ語とフランス語の折衷なので疑わしい。因みに放送では「ヤニーヌ・ヤンセン」と発音している。ディスクで聴ける彼女の演奏は専ら協奏曲なので、リサイタルの実況は興味津々。ちょっと線は細いが、技量的には申し分なく、バルトークでも破綻や弛緩は皆無、しかも飽くまでも美音を貫く。「雨の歌」がいい。程よい歌心と繊細な音色。
ヨハン・シュトラウス(ヴェーベルン編):
宝の円舞曲
ヨハン・シュトラウス(シェーンベルク編):
入江の円舞曲
マーラー:
リュッケルト歌曲集*
ヨハン・シュトラウス(ベルク編):
酒、女、歌
ヨハン・シュトラウス(シェーンベルク編):
皇帝円舞曲
マーラー(シェーンベルク編):
さすらう若者の歌**
ヨハン・シュトラウス(シェーンベルク編):
南国の薔薇
Musiciens de la Philharmonie de Vienne
Bernarda Fink, Mezzo-soprano* **
Anthony Spiri, Piano*
2011年3月24日
オルセー美術館オーディトリオム
十二音社中によるシュトラウス円舞曲の編曲は底意地が悪くて好きだ。なにしろ沸き立つような華やかさの対極、墓場に吹く風さながらに禍々しく不穏なので。それらをマーラーの歌曲集と並べて聴けるのが当演奏会の愉しさ。シェーンベルク編曲の「さすらう若人」がやけに素敵である。少なくもここには奇妙な居心地の悪さはない。
モーツァルト:
ピアノ協奏曲 第十二番、第二十三番
Orchestre de Paris
Christoph Eschenbach, Direction & piano
2010年2月20日
プレイエル楽堂
エッシェンバッハが現役のピアニストであることを証す生モザール演奏。寡黙でいかにも神経質そうな青年は強面スキンヘッド親爺の裡に今もひっそりと息づいている。
シューベルト:弦楽五重奏曲
ブラームス:
ピアノ五重奏曲*
Solistes des Berliner Philharmoniker
Guy Braunstein, Violon
Christoph Streuli, Violon
Amihai Grosz, Alto
Ludwig Quandt, Violoncelle
Olaf Maninger, Violoncelle
Yuja Wang, Piano*
2011年3月19日
プレイエル楽堂
小生が大の苦手とするシューベルトだが弦楽五重奏だけは例外。この世のものと思えぬ、それこそ天国的な美しさだ。続くブラームスでは王羽佳が共演。これもいい。