じわじわと害毒がわれらの生活を蝕んでいる。
今日になって茨城県でも原乳の出荷が差し止められた。水戸市と河内町で放牧された牛の乳から、規制値を超える放射性沃素が検出されたのである。もはや時間の問題とは思っていたが、やはりそうか、との感に打ちのめされる。
家人の実家は茨城で農業を営んでおり、酪農を生業にしている親戚もいる。
数年前になるだろうか、一度その牧場を訪れたことがある。「
うちのヨーグルトは美味いよ、試してご覧」と勧められて食したら、本当にこれが天下一品の旨さだった。まろやかで、コクがあって、あんなに美味しいヨーグルトは後にも先にも味わったことがない。手塩にかけて牛を育て、丹精込めて絞った原乳をゴミとして廃棄しなければならない無念さを思うと、遣り切れない気持ちで一杯だ。
いつになったら、あの絶品のヨーグルトが食べられるようになるのだろうか。
そして追い打ちをかけるように今度は水道水だという。
これも遠からず来るぞと覚悟していたら、早速やってきた。東京二十三区(と多摩地区の一部)で乳児の飲用を控えるよう指示が出された。金町浄水場で計測した水道水中の放射性沃素131が規制値を上回った由。ここの水源は利根川水系の筈だから当然の帰結なのだが、それにしても早い。
政府も水道局もNHKも「
ただちに健康に影響するものではない」プロパガンダを莫迦のひとつ覚えよろしく繰り返す。巫山戯るのもいい加減にしろ。食品を介し経口摂取した放射性物質の害が急性である訳ないぢゃないか。それはじわじわ時間をかけて内部から健康を蝕み、真綿のように人の首を絞めるのである。