液状化が起こった駅前には逸早く土木工事が入って舗石の敷き直しが行われている。もっとも地均しせず、ただ並べているだけなので、これは応急処置に過ぎないのだろう。地面そのものが波打ち、店舗の入ったビルとの間に生じた三十センチもの高低差は解消されていない。
そのあと近所のスーパーマーケットに赴くと、異常な程の混雑ぶり。駐車場に向かう乗用車が数珠繋がりに並んでいる。
内部の賑わいも尋常でない。買物客がひっきりなしに行き交い、手押しカートはすべて出払っている。食品売場の棚をざっと見渡して驚いた。
牛乳は完売。食パンは完売。フランスパンは完売。卵は完売。豆腐は完売。納豆は完売。挽肉は完売。惣菜弁当は完売。バナナは完売。飲料水は完売。日本茶ペットボトルは完売。カップ麺は完売。レトルト飯は完売。レトルトの猫餌までも完売。主だった食材は何もかも完売なのだ。鮮魚も生鮮野菜もあらかた売り切れである。トイレットペーパーは、とみると案の定やはりこちらも完売。
こんな光景を目にしたのはひょっとして1973年のオイルショック以来ではないだろうか。恐ろしい。誰もがパニック状態で備蓄行動に走っているのだ。