クリスマス・イヴにはクリスマス・イヴに相応しい音楽をかけよう。
そう思い立ち、てっとり早く選んだ一枚は、届いたばかりの音楽雑誌 "BBC Music" クリスマス特集号の附録CD。降誕に因んだ古今の合唱曲アンソロジーである。
"A Choral Christmas"
ケネス・レイトン: Lully, Lulla
フィリップ・ラドクリフ: The Oxen
ウィリアム・バード: Lullaby, my sweet little baby
ジョン・タヴナー: The Lamb
クリス・チヴァーズ: Ecce puer
モーテン・ローリッドセン: O magnum mysterium
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ: The truth sent from above
エリック・ホイッテカー: Lux Aurumque
グスターヴ・ホルスト: Lullay my liking
フランシス・プーランク: O magnum mysterium
ジョン・タヴナー: O, Do Not Move
ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ: Alma redemptoris mater
ヒューバート・パリー: Welcome, Yule!
トマス・レイヴンズクロフト: Remember, O thou man
エリザベス・ポストン: Jesus Christ the Apple Tree
トマス・ルイス・デ・ビクトリア: Ave Maria
ピョートル・チャイコフスキー: The Crown of Roses
ピーター・ウォーロック: Bethlehem Down
ジョン・タヴナー: Today the Virgin
レイフ・オールウッド指揮
ロドルファス合唱団
2010年9月3、4日、ハムステッド(ロンドン)、セント・ジュード=オン=ザ=ヒル聖堂
BBC Music BBC MM326 (2010)
時代も地域もさまざまな合唱曲の小品が十九。いずれ劣らず至純の煌めきを宿している。いかに不信心な者でも思わず天を仰ぎたくなるほどだ。合唱音楽に疎い小生にとってはまた、ケネス・レイトン、エリザベス・ポストン、エリック・ホイッテカーといった未知の作曲家への興味を掻きたてられた一枚でもある。
このアンソロジーで唯一これまで耳にしたことのあるプーランクを聴いてみよう。
"Poulenc: Motets & chansons polyphoniques"
プーランク:
クリスマスのための四つのモテット (1952)
三つのモテット
悔悟の時のための四つのモテット
ジャン・ジルー指揮
グルノーブル大学合唱団
1970年頃
ワーナー WPCS-22118/19 (2003)
先のアンソロジーに収められた「おゝ大いなる神秘」はこの 《クリスマスのための四つのモテット》 の冒頭曲である。他の三曲ともども、平明な静けさ、悦ばしさが横溢し、いかにもクリスマスに相応しい佳曲である。
他のモテットも美しい。たまには「真面目で敬虔な」プーランクもいいものだ。ただし本盤での合唱の精度はかなり落ちる(今日は二枚組CDの一枚目のみを聴いた)。