昨日は早めに池袋に着いたのだが、東口の本屋で道草を喰っていて目的地の居酒屋「
清龍」に着いたら集合時刻の四時を七分ほど廻っていた。
急な階段を宴会場のある四階まで上がる。どうせまだ先着はひとりかふたりと多寡を括っていたら、主賓のM君はじめほぼ全員がすでに着座し、食卓には酒もつまみも並んでいた。幹事のBoe君によれば今日はコース料理&飲み放題三千円なのだという。すぐあとにAが到着して九人全員が揃ったのでまずは乾杯。
例によって例の如き近況報告と懐旧談に花を咲かせたのだが、長く老父を介護し先頃その死を看取ったM君の切実な体験談を皮切りに、老いた両親との同居や介護、葬儀費用、年金受給、遺産相続をめぐる肉親の確執といった五十代ならではの話題が次々に開陳された。やれやれ我らも年をとったものだ。
驚いたのは飲食談笑中しきりに懐かしの70年代音楽が有線(?)で流されたこと。石川セリ「八月の濡れた砂」、あがた森魚「赤色エレジー」、細野晴臣「恋は桃色」…。もしや客筋をわきまえた配慮なのか。まさかね。
所定の二時間半が過ぎたので地下通路を抜けて西口に河岸を移し、メンバーのN君ご推薦の「
フクロ」という店に赴く。駅の真ん前にこんな居酒屋があるとは知らなんだ。ここも「清龍」に負けず劣らず廉価な店で、ホッピーを痛飲する。先に帰った四名の置いていった金額で全員分の飲み代が賄え、申し訳ないが只酒になってしまった。十時閉店というので表に出たらさすがに酩酊して足元の危うい者もいる。名残惜しいがいつになく早く散会。一週間後に今度は横浜での再会を約して別れた。