午前中に近所の公園をぐるり一周するのが家人の日課である。ところがこのところ朝から容赦なく強い陽射しが照りつけ往生していた。幸いなことに今朝は涼しい小雨模様。久しぶりに旱天の慈雨といった趣なので、歓んで同行した。
数日前までピンクの花が咲き競っていた池の古代蓮がひとつも咲いていない。もう季節が終わったのだ。ほうぼうで蓮の実が褐色になって弾けそう。
雨がいよいよ本降りになってきた。蓮の葉にみるみるうちに水滴が溜まって水銀のように窪みをころころ転がる。次第に大きく膨らんできたところに一陣の風が吹いて、葉が大きく揺れたと思ったら玉が砕け散るように葉の縁から零れ落ちた。そのさまを眺めているといつまでも見飽きない。
帰りは少し寄り道して麺麭屋で焼きたてのクロワッサンと安価な麺麭の耳を求める。なんだか喉も渇いてきたので珈琲屋で一服。さあ今日はこれからデスクワークに励むのだ。