早起きして眠い目を擦り擦り電車を乗り継いで江古田に赴いて所用を済ます。朝だというのに猛烈な暑さでへたばりそうになる。
帰りは池袋で途中下車。リブロの児童書売り場めがけて一目散に駆け込む。
当初は目指す書棚までジグザグに間切っていく目論見だったのに、うっかり慌てて脇目もふらず直進してしまった。
あった。ようやく手にした。なにしろ文化果つる土人の國に棲むものだから、近在の書店ではどこを探しても置いてなかった。なので発行日(七月十四日)から一週間も経ってやっとゲット。嬉しさで手が震える。
レジに向かって今度は間切って進んでいった。傍目にはよろけているようにしか見えないだろうが。差し出すや否や店員の女性から「
とうとう新訳が出たんですよね」と声をかけられる。当然だ、白髪頭の初老男が岩波少年文庫二冊を手に息せき切って駆け寄ったのだもの。思わずこちらも「
長生きしてよかったです」と応じた。
アーサー・ランサム作
神宮輝夫訳
ツバメ号とアマゾン号
上・下
岩波少年文庫
2010
最初の一頁目から衝撃を受ける。ロジャはもう「間切って」走ったりしないのだ!
とにかく息を呑んでただただ驚き、たじろいだ。続きは二日後に詳しく再説しよう。