今日明日じゅうに仕上げねばならぬ原稿がまるで未着手である。短いものとはいえ困ったことだ。昨日は出掛けるんぢゃなかったとつくづく悔やんでももう遅い。
とにかく書きださねば始まらない。喝を入れねばならぬ。昨日たまたま高田馬場で通りすがりに手にした中古ディスクを聴きながら構想を練る。
ベルリオーズ:
交響曲「イタリアのハロルド」作品16*
トリスティア作品18**
ヴィオラ/ジェラール・コセ*
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
革命期浪漫主義管弦楽団
モンテヴェルディ合唱団**
1994年10月、ロンドン、オール・ハロウズ
Philips 446 676-2 (1996)
滅多に聴くことのない「
イタリアのハロルド」だが本盤には同時期の珍しい合唱曲「
トリスティア」が併録されているのが貴重。知る限りではこの組み合わせはほかにコリン・デイヴィス&今井信子盤しかなかった筈。地味だが味わい深いコセのヴィオラ、綿密に設計されたガーディナーの指揮、合唱の至純の美しさ、いずれも一聴に値しよう。これでたったの四百五十円とは!
バルトーク: 管弦楽のための協奏曲
ヤナーチェク: シンフォニエッタ
アンドレ・プレヴィン指揮
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
1988年5月3日、ロサンゼルス、UCLA、ロイス・ホール
Telarc CD-80174 (1988)
プレヴィンにこんな演奏があったとは今まで知らなんだ。小生がいかに1980年代を無為に過ごしたか痛感させられた。予想したとおり尖ったところや荒削りなところは皆無。バルトークやヤナーチェクにしては整いすぎ美しすぎる感も否めないが、音楽的に申し分なく充実した演奏であることは論を俟たない。LAのオーケストラの技量にも不足はない。これだけ聴けて五百円とは!
今頃おそらく東京で友人たちは野外コンサートでブルーズに酔い痴れていることであろう。