まだ夕食には間がありそうなので、ちょいと一枚かけてみよう。先日のクラリネット協奏曲に続き、プロコフィエフの変わり種をもうひとつ。
プロコフィエフ:
ヘブライ主題のよる序曲 作品34b
フルート協奏曲 作品94*
交響曲 第一番「古典交響曲」
ユニゾンのヴァイオリン合奏のためのソナタ 作品115
四つのファゴットのためのスケルツォ 作品12-bis
フルート/ジョナサン・スノーデン*
マーク・スティーヴンソン指揮
ロンドン・ムジチ
1990年5月16~18日、ハートフォードシャー、ウォットフォード・タウン・ホール
Conifer CDCF 173 (1991)
いやはや今度は
プロコフィエフのフルート協奏曲だという。作品番号「94」から判明するとおり、これまたフルート・ソナタ≒ヴァイオリン・ソナタ第二番からの編曲である。アレンジしたのは
クリストファー・パーマー。これまた上出来な部類に入る編曲だろう。オーボエ1、イングリッシュ・ホルン1、クラリネット2、ファゴット1、ホルン2、トランペット1、ティンパニと打楽器、ハープ、ピアノ、小人数の弦楽合奏という編成からはなかなか精妙で透明な響きがする。
初演は1988年2月5日、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会。当ディスクと同じ独奏者(彼はLPOの首席フルーティスト)、指揮はプロコフィエフ復権に尽力したエドワード・ダウンズ卿。
本CDは選曲がたいそう凝っている。ヘブライ主題による序曲や古典交響曲のような人口に膾炙した曲とともに、晩年の作ながら全く等閑視された初録音曲(作品115)やら、若書きで歿後にバレエ『石の花』に組み込まれた秘曲(作品12)などは専門家でも知らなかったような作品である。
世のプロコフィエフ好きにとってマスト・アイテムだろうが、版元倒産により最早入手は叶わないのがなんとも悔しい。