一日遅れになってしまったが、
クリント・イーストウッドが八十回目の誕生日を迎えたそうである。めでたいことだ。
新作が待ち望まれる映画監督が次々に世を去り、あるいは半ば引退同然であることを思うと、イーストウッドの健在は頼もしい限り。しみじみ嬉しさがこみ上げる。今という時代も捨てたもんぢゃないという気がする。
マカロニ・ウェスタンの昔から目が離せない人だったのだが、ここ数年の監督作品には瞠目させられ、震撼させられっ放しだ。
2004年 ミリオンダラー・ベイビー
2006年 父親たちの星条旗 (→レヴュー)
2006年 硫黄島からの手紙 (→レヴュー)
2008年 チェンジリング (→レヴュー)
2008年 グラン・トリノ (→レヴュー)
2009年 インビクタス 負けざる者たち (→レヴュー書きかけ)
どの一作をとっても言葉を失うほどしたたか打ちのめされる大傑作であるばかりか、スポーツ求道、戦場、猟奇犯罪、マイノリティ、アパルトヘイトとジャンルの振幅が恐ろしく大きい。老境に入ってここまでアグレッシヴに挑戦し続ける映画監督がこれまでいただろうか。
先日までNHK・BSでイーストウッド特集が組まれたようだが、ぜひとも観直したい旧作群は放映ラインナップに含まれていなかった。
1971年 恐怖のメロディ (主演・監督)
1974年 サンダーボルト (主演、マイケル・チミノ監督作品)
1977年 ガントレット (主演・監督)
1979年 アルカトラズからの脱出 (主演、ドナルド・シーゲル監督作品)
1980年 ブロンコ・ビリー (主演・監督)
1982年 センチメンタル・アドベンチャー(ホンキートンク・マン) (主演・監督)
1988年 バード (監督)
大スクリーンで観るべき作品ばかりだ。生きているうちに再見は叶うか。