昨日とはうって変わって抜けるような青空。五月最後の
皐月晴れである。
朝起きるなり家人が
薔薇の季節だという。どこの薔薇園も満開だという。
なので思い立ったら吉日とばかり西船橋駅から東葉高速鉄道という不馴れな電車に乗り継いで八千代緑が丘駅へ。線路沿いに十五分ほど歩いて「
京成バラ園」に到着した。ここへ来るのは初めて。ちょっと行き辛い場所なのだ。
いやはや凄い人出である。入場券を購める列に並ぶこと七、八分。月曜というのにこの賑わいとは驚きだ。
園内に足を踏み入れるや言葉を失う。
見渡す限り一面の薔薇の花盛り。赤、白、ピンク、黄、オレンジ、薄紫、濃紅、大輪から小花まで入り乱れて咲き競っている。灌木、低木、蔓垣、ポールに這わせたもの、アーチ状に仕立てたものと樹種もさまざま、なんとも壮観である。
薔薇園の総面積は三万平米。植えられた薔薇は千種、七千株と手渡されたパンフにある。広々とした園内には数千人の来訪者が屯しているはずだが混雑した感じはさほどしない。幾何学的に配された洋風の整形式庭園のほかに斜面になった薔薇の丘、立派な大温室、睡蓮の池を囲む和風の庭園や散策の森まであって飽きさせない。これで入場料八百円は高くない。
その至るところに
薔薇、
薔薇、
薔薇、
薔薇。あたり一面に漂う華やかな色と甘やかな香りに酔わされ、くらくら立ち眩み。薔薇中毒になりそうなほど。
(まだ書き出し)