普段ひっそりのんびり暮らしているものだから今週の諸事多忙は甚だきつい。
とはいうものの読書と音楽は生きている証なのでやめられない。今朝も珈琲を淹れてまずはこの一枚。
"Great Recordings of the Century - Primrose - Sellick - Menuhin"
ウォルトン:
ヴィオラ協奏曲*
ヴォーン・ウィリアムズ:
フロス・カンピ**
ヴァイオリン協奏曲「コンチェルト・アッカデミコ」***
ウォルトン:
協奏交響曲****
ヴィオラ/ウィリアム・プリムローズ* **
ウィリアム・ウォルトン指揮 フィルハーモニア管弦楽団*
エイドリアン・ボールト卿 指揮 フィルハーモニア管弦楽団、BBC合唱団**
ヴァイオリン/イェフディ・メニューイン***
エイドリアン・ボールト卿 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ/フィリス・セリック****
ウィリアム・ウォルトン指揮 バーミンガム市管弦楽団
1946年7月22、23日*、6月11、12日**、1952年2月18日***、
ロンドン、アビー・ロード、第一スタジオ
1945年8月8日、ダドリー、タウン・ホール****
EMI CDH 7 63828 2 (1991)
20世紀に入っても前世紀と同様に協奏曲のジャンルでは名奏者の存在が不可欠。新作の登場を促すうえで最良の契機となった。
ウィリアム・ウォルトンの傑作と目されるヴィオラ協奏曲も、同じくヴィオラを独奏とするVWの佳曲も、ともに不世出の英国のヴィオラ奏者
ライオネル・ターティスの存在にインスパイアされて世に出た。ただし当初ターティスはウォルトンの斬新な書法に違和感を覚えたらしく、初演者にはならず、代わりに同僚の
パウル・ヒンデミット(!)を推薦した。なので1929年10月3日の世界初演はヒンデミットの手に委ねられた、とはヴィオラ好きなら知らぬ者なき逸話だろう。
この古いSP録音はウォルトンの協奏曲を熱心に広めた立役者にして20世紀最大のヴィオリスト
ウィリアム・プリムローズを独奏者に、作曲者自らがタクトを取った「歴史的名盤」である。録音の古さは否めないけれど、この曲を味わうのにさして不足は感じない。熱の籠った、柄の大きい名演である。現行の1962年改訂版とは管弦楽の書法が少しく異なるオリジナル版による演奏であるのも資料性が高かろう。
おっといけない、そろそろ出掛ける時刻だ。続きはバスの車中で聴くことにしよう。それでは行ってきまあす。