酔い醒ましに濃い茶を啜っていたら、TVの画面にいきなり
鈴木清順監督の瓢然たる笑顔が映し出され吃驚。ご尊顔を拝するのは久しぶりだ。遙か昔から老人めいた風情を漂わせておられたので、特にお歳を召されたようには思えない。当年八十七歳というが、とてもそうは見えずお元気そうだ。
「
江戸っ子が行く」と題し、インタヴューに答えて東京下町での生い立ちから九死に一生を得た戦争体験(監督は一言、「戦争てのは滑稽だね!」と喝破される)までを語る。口調と滑舌のなんというすべらかさ。さすが生粋の江戸っ子である。
そのあとに監督の鍾愛の一本だという『
歌ふ狸御殿』(木村恵吾監督作品、1942)がかかるという趣向。BS「日本映画専門チャンネル」、なかなかやるぢゃないか!