(承前)
昨夜は遅くまでかかって次回の連載のレイアウト確認作業。大丈夫うまく仕上がって、金曜日にはアップされそうである。ふう、これでイザドラ・ダンカンがらみの話題はお終い。名残り惜しいけど。
一夜明けてすぐ次々回の執筆に取りかかる。外は春とも思えぬ冷たい雨が降りしきる。これ幸い(?)と散歩にも買物にも出ず延々とPCに齧りつく。夕方までで三分の一あたりまで書けただろうか。
なので一息いれて昨日の記事の続き。
今井信子さんの新録音の後半を聴く。
"Viola Concertos: Béla Bartók - Paul Hindemith"
バルトーク:
ヴィオラ協奏曲 (原典版)
シェーンベルク:
浄夜
ヒンデミット:
シュヴァーネンドレーアー
ヴィオラ/今井信子
ガーボル・タカーチ=ナジ指揮
ジュネーヴ高等音楽院管弦楽団
2008年12月15~18日、ジュネーヴ、エルネスト・アンセルメ・スタジオ
2008年12月22、23日、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
Panclassics PC 10215 (2009)
バルトークのあとに間奏曲ふうに挿入されたシェーンベルクはたいそう力の籠った演奏のようだが、申し訳ないが上の空で通り過ぎてしまった。それもそのはず、そのあと殿(しんがり)に途轍もない楽曲が控えているからである。
高名なヴィオラ奏者でもあったヒンデミットが自らの演奏用に作曲したヴィオラと小管弦楽のための協奏曲(彼は敢えてそうは名付けなかったが)。これを今井信子さんの独奏で聴ける日が遂に到来した。
この日がやって来るのを何年待っただろうか? 十年? 二十年? 否、きっかり四十年なのである。
「白鳥の肉を焼く男」という些か禍々しい邦題で呼ばれることもあるヒンデミットの美しい佳曲を初めて知ったのは高校二年の冬、1969年12月のこと。珍しくもその実演を通してだった。辛うじて今も手元に残る当日のチケットの文面を書き写そう。
NHKシンフォニーホール
NHKコンサートホール、同時収録
と き… 12月13日(土)午後 2:30 開場 3:00 開演
ところ… NHKホール(もより駅 国電=新橋、地下鉄=新橋、虎の門、霞ガ関)
管弦楽 NHK交響楽団
ビオラ 今井信子
指 揮 岩城宏之
―曲 目―
組曲「王宮の花火の音楽」 ………………… ヘンデル作曲
シュヴァンネンドレーヤー ………………… ヒンデミット作曲
交響曲 第5番 ホ短調 ……………… チャイコフスキー作曲
.............................
入場整理券
(1枚1名様)
ご注意
(1) 開演後のお出入りはお断わりいたします。
(2) 開場1時間前から窓口で先着順に座席番号を捺印いたします。
(3) 開演10分前にはお席にお着き下さい。
(4) 都合により公開をとりやめることがあります。
NHK
NHKホール、といっても渋谷区神南にある現今の巨大なハコではない。千代田区内幸町にあった放送収録用の小さな建物のほうだ。ここに赴いたのは後にも先にもこのとき一回限りである。土曜日だったのだから、埼玉の田舎高校の授業を半ドンで終え、そのまま制服姿で黒い革鞄を下げ駆けつけたのであろう。恥かしい。京浜東北線を新橋駅で下車、どこをどう歩いたのか、とにかく「開場1時間前」の午後一時半には会場窓口まで辿り着き、「
ほ 31」という番号を捺印してもらっている。
おそらく「いろは」順にふられていた座席の五列目のやや右寄りあたりだろうか。このホールは
座席数が僅か六百三十だそうで(今しがた調べてわかった)、これならどこに座っても舞台が遠いということはなさそうだが、先着順で小生が確保した席は臨場感を味わうのに好適な場所だったのではあるまいか。
(まだ聴きかけ)