西方への旅から帰ってきた。年に一度の美術館見学バスツアーの添乗である。
ただし、いつもより遠距離なので名古屋への往還は新幹線を利用し、名古屋駅から貸切バスで四つの美術館を経巡った。宿泊は蒲郡の西浦温泉。
訪問したのは名古屋市美術館、一宮市立三岸節子記念美術館、豊田市美術館、徳川美術館。四者四様にまるで異なった資質と個性を備え、それぞれの使命を果たしつつある正統派のミュージアム揃いである。
名古屋市美では深谷克典さん、豊田市美では北谷正雄さんと思いがけなく再会。現役時代に展覧会を通じてお世話になった学芸諸氏と久しぶりに旧交を温めることができ懐かしいやら嬉しいやら。このご時世なのでどこも難題を抱えていそうだが、節を曲げずにいる姿勢が言葉の端々に窺えて頼もしかった。
もちろん名古屋なのでご当地の味をあれこれ食してみた。
ひつまぶし。
味噌煮込きしめん。
味噌カツ。美味しいことは美味しいのだが甘辛さが関東人には少々くどく、立て続けに食べると些かゲンナリ。やはり鰻は蒲焼に限るなあ。
ひたすら乗り物に揺られて、美術館を逍遥しただけの二日間だったが、帰宅するとどっと疲れがこみ上げた。