リチャード・ヒコックス追悼演奏会、なんだか通夜じみて、しんみりしてしまった。
最後は溌剌たる生命の発露たるパーシー・グレインジャーで愉しく締め括ろう。
"The Grainger Edition vol. 6 - Orchestral Works 2"
パーシー・グレインジャー:
「若々しき組曲」
岸辺のモリー*
アイルランド、デリー州の調べ*
シェパーズ・ヘイ!(羊飼いの踊り)*
カントリー・ガーデンズ(田舎の庭園)
ある朝早く*
ストランド街のヘンデル*
モリスもどき*
ドリーマリー
「戦士たち」
リチャード・ヒコックス指揮
BBCフィルハーモニック
1997年4月27、28日、マンチェスター、新放送会館
Chandos CHAN 9584 (1997)
十数枚ほど出てどうやら頓挫してしまったらしい全作品録音プロジェクト「グレインジャー・エディション」だが、それでもヒコックスの指揮で七枚が録音されたのは以って瞑すべし。
選んだのはそのうちの「管弦楽曲 その2」、ご覧のとおり選曲が目覚ましい(曲名の邦語訳は宮澤淳一さん)。最長の曲にして最高傑作 "The Warriors" の新校訂版初録音をしんがりに、レオポルド・ストコフスキとの共演用にグレインジャーが特別にアレンジした管弦楽曲が六曲(*)。
久しぶりに棚の奥から取り出して聴いてみて、涙を禁じえない。なんという躍動感、なんという光彩陸離、なんという自由闊達! ヒコックスの美質がこれほど全面に出た演奏も稀なのではないか。
このディスクをグレインジャーに聴かせたかったなあ!