東京への往還で草臥れた一日。こんな夜は音楽を聴くことしかできない。岩波新書について続きを書きこうと思っていたのだが後日にしよう。
疲れを癒す、というのとはちょっと違うのだが、すんなり心に沁み通る音楽。しかも選曲が抜群に素晴らしい。
"Debussy's Corner"クロード・ドビュッシー: シュリンクスリチャード・ロドニー・ベネット: シュリンクスによるソナタ
武満徹: そして、それが風であることを知ったクロード・ドビュッシー: フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタブノワ・メルニエ: 映像 トリオ・メディシス
フルート/ベルナール・ピエルーズ
ヴィオラ/ニン・シー
ハープ/フランセット・バルトロメ2002年7月27~30日、シオン(スイス)、ティボール・ヴァルガ財団
Cyprès CYP 1637 (2003)
う~む、よく思いついたものだ。このプログラム、間然としたところが全くない。
フルート、ヴィオラ、&ハープという編成にはほとんど前例がなく、最晩年のドビュッシーがどこからこのユニークなトリオ・ソナタを発想したのかはわからない。このとき彼が迫り来る死を予感していたのは間違いないが、ペシミスティックなところは微塵もなく、透明な旋律、明快なフォルム、澄み切った佇まいが最後にドビュッシーの辿り着いた境地を物語る。もはや「うつせみ」すなわち現世の人でないかのごとく。
不思議なことに、このドビュッシーのソナタは、直後ではなく、数十年の時を隔てて後継の楽曲を得た。二十世紀も終わりに近づく頃、明らかにこれを淵源とし、敬意と憧れの気持ちをこめ、楽器編成もそのままに受け継ぐ楽曲が、まるで申し合わせたように英・仏・日で生まれている。
(まだ書きかけ)