連日の猛暑にもようやく馴れてきた。そうでなければ、これから二か月続く「ニッポンの夏」に堪えられないのだが。
昨日一昨日と、連載「旅するアート」の原稿書きに必要な参考書を読み漁った。なにしろ江戸時代初期の政治外交史という、まるで不案内な分野なので、「へえ! そうだったのか!」「そんな事実があったのか!」と驚かされること頻りなのだが、この状態のままで執筆に入ると、学生のレポートのように「知った情報をただ盛り込む」内容になりかねない。それらのファクトをどう整理して、願わくば自家薬籠中のものとして、いかに提出できるかどうか、それが肝腎カナメなのだ。
日本人で史上初めて油絵のモデルになった四百年前のサムライについて書こうとしているのだが、結局、昨夜までの段階では最初の一行にすら踏み出せなかった。逡巡と煩悶。辛いなあ。
今朝、起き抜けにヴェランダで煙草をふかしていて、書き出しの妙案を思いつく。これがほんとの妙案かどうかは、実際に書き進めてみないことにはわからない。
どうなりますことやら。