夜になって雨が降り出した。風もひんやり冷たい。氷雨というのだろうか。
並行して読んでいるどの本も読了に到らない。早くご紹介したいのだが、やはり感想は読み終わってからにしよう。そうだ、徒然に聴いたCDを忘れぬうちに少し書き留めておこうか。
バッハ: カンタータ 第42番 「されど同じ安息日の夕べに」、第103番 「汝ら泣き叫ばん」、第108番 「われ世を去るは汝らのためなり」、第6番 「われらの許に留まれ、はや夕べとなれば」
鈴木雅明 指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン
ソプラノ=野々下由香里、カウンターテナー=ロビン・ブレイズ、テノール=ジェイムズ・ギルクリスト、バス=ドミニック・ヴェルナー
2006年2月、松蔭女子学院チャペル、神戸
BIS BIS-SACD-1611 (2007)
*やっと中古で見つけたので聴いてみた。鍾愛の42番カンタータのこれは最上の演奏ではないだろうか。リズミカルな躍動がそのまま崇高な昂揚感に連なるという、奇蹟のような実演記録。他の三曲もそれぞれに目覚ましい出来。同演目を東京で聴いた夜のことを思い出した。
バッハ: ピアノ協奏曲 第一番、前奏曲とフーガ ホ短調、ピアノ協奏曲 第二番、前奏曲とフーガ 変ロ短調、ピアノ協奏曲 第五番、アダージョ(マルチェッロのオーボエ協奏曲より)
ベルク: ピアノ・ソナタ 作品1、シェーンベルク: ピアノ小品集 作品19
ピアノ=マルティン・シュタットフェルト
アヒム・フィードラー指揮 ルツェルン音楽祭弦楽合奏団
2005、06年
Sony 88697006992 (2006)
*話題になった「ゴルトベルク」は未聴ゆえ初めて接するピアニストだが、本盤のバッハは焦点が絞れていない感じ。むしろボーナス盤のベルクとシェーンベルクのほうに本領がありそう。
"Russian Christmas"
リムスキー=コルサコフ: 「雪娘」組曲
チャイコフスキー: 交響曲 第一番 「冬の白昼夢」、「雪娘」抜粋
ワシーリー・シナイスキー指揮 BBCフィルハーモニック
2004年7月、マンチェスター
BBC Music MM248 (2004)
*ありそうでない凝った選曲の一枚。演奏も円滑で悪くない。例の雑誌附録CD。
プロコフィエフ: バレエ「ロミオとジュリエット」抜粋(五曲)
チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン=ヴァーツラフ・フデチェク
ダヴィード・オイストラフ指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
1972年5月20日、スメタナ・ホール、プラハ (実況)
*「プラハの春」音楽祭での微笑ましい師弟共演。フデチェクはやや線が細いが健闘。オイストラフの指揮もそれなりの周到さで大過なくまとめる。
ドビュッシー(コンスタン編): 交響曲「ペレアスとメリザンド」
ラモー(ジュヴェール編): 組曲「カストルとポルックス」
フローラン・シュミット: 詩篇 第四十七番
ジャン・フルネ指揮 東京都交響楽団 ほか
1985年12月5日、95年12月20日、92年12月8日、東京 (実況)
fontec FOCD 9249 (2005)
*失礼ながら世評ほどの感動を覚えぬフルネであるが、この一枚は曲目がすこぶる良い。実演にもっと足を運ぶべきだったと少し反省。
トマジ: ヴァイオリン協奏曲「ウリュッセウスの巡歴」、ハープ、弦楽合奏、弦楽三重奏のためのバラッド・エコセーズ、フルートと室内管弦楽のための協奏曲、ギター協奏曲「虐殺された詩人ロルカの思い出に」
ヴァイオリン=ドヴィ・エルリー、ジョルジュ・ツィピーヌ指揮 フランス放送国立管弦楽団
ハープ=マリエル・ノルドマン、レナルド・ジョヴァニネッティ指揮 マルセイユ合奏団
フルート=ジャン=ピエール・ランパル、アンドレ・ジラール指揮 ORTF室内管弦楽団
ギター=アレクサンドル・ラゴヤ、ジャン・ペリソン指揮 ザグレブ放送交響楽団
1964、85、66、69年 (実況)
Lyrinx LYR 227 (2003)
*合唱曲以外ほとんど聴いたことのない仏人作曲家アンリ・トマジの、どれも未聴の協奏曲集だが、独奏に綺羅星の如き名手が並ぶ贅沢な盤。いずれも貴重な放送音源だが、ツィピーヌの鮮やかな指揮がステレオで収録されているのに瞠目。
今日はこのあたりで終えよう。眠れなくなるといけないから。