ここ四十年近く、朝食を摂った憶えがほとんどない。いや、そんなことは自慢にもならないのだが、こればかりは学生時代の身についた永年の習慣なのだから仕方がない。朝は珈琲をストレートで飲むだけ。そもそも腹が減っておらず、何も口にする気にならないのである。
このところ昼も珈琲だけで済ませることも多く、これでは一日一食になって体に良いわけがない。五十代も半ばになって、そろそろ健康維持に気を使わねば、いつ倒れても不思議はない。
それで最近になって、朝は努めてグラノーラを食べるようにしている。フレーク状になった穀類、いわゆるシリアルの一種である。
シリアル食品では、昔からオートミールやコーンフレークが知られているが、この頃はグラノーラだのミューズリだの、棒状になったフラップジャックスだのが近所のスーパーでも数多く出回っている。
グラノーラとミューズリとがどう違うのか。ずっと疑問に思っていたので、ウィキペディアに尋ねてみた。まずグラノーラの定義はこうだ。
グラノーラ(Granola)は、燕麦、麦、玄米、とうもろこしなどを蜂蜜や黒砂糖、植物油と混ぜてオーブンで焼き、ドライフルーツ、ココナッツ、ナッツなどをミックスして作った食べ物で、シリアル食品の一種。もと商標名。
ヨーグルトや牛乳をかけて朝食としたり、おやつとしてそのまま食べる。軽くて持ち運びやすく、栄養価が高いため、キャンプやハイキングの携帯食にも向いている。
19世紀にアメリカで発明され、グラノーラ、グラニューラ、ガノリエッタなどと呼ばれた。いずれも商品名で、グラノーラもケロッグ社の商標だった由。語源はひょっとしてイタリア語の grano(グラーノ=麦、穀物)ではなかろうか。
一方のミューズリの項目はないので、英語版wikipedia を引くと、dry muesli の説明として、
[...] is a loose mixture of mainly rolled oats together with various pieces of dried fruit, nuts, and seeds. It commonly contains other rolled cereal grains such as wheat or rye flakes as well.
とある。これではグラノーラとの区別がはっきりしない。続けて「近年は袋詰でよく売られており、さまざまな種類があるので、ミックスして食べる人も多い。蜂蜜や香料、チョコレート入りのもある。長期保存が可能で、牛乳かヨーグルト、果汁をかけ、生のフルーツとともに食する」とある。やっぱり違いがわからないのだが、見た目でいえばミューズリはどうしても家畜か鳥の餌を連想させるので、気がつくとグラノーラに食指が伸びてしまう。
今朝もカルビーの「フルーツグラノーラ」に牛乳をかけて食した。そのあとに熱い珈琲を一杯。さあ、眠気も醒めて、活力が湧いてきたところで、そろそろ出かけてきます。