先日、新宿のタワーレコードを覗いたとき、こんな新譜を手にした。
いやなに、新譜といったって、中身は最新のものでも五十年、旧い音源は八十年近く経っている。クルト・ワイルを同時代者の演奏で辿るという、これまでにも何度も同種の盤にお目にかかった企画物だが、新味がなきにしもあらずなので紹介しておこう。いや、実際に聴き出すと面白くてやめられないのだ、これが。
まずは曲目/演奏者/録音年代・場所を列記しよう。
01. メッキー・メッサーのモリタート
/ベルトルト・ブレヒト、テオ・マッケーベン楽団/1929、ベルリン
02. ビルバオ・ソング
/ロッテ・レーニャ、テオ・マッケーベン楽団/1929、ベルリン
03. 人間の努力の空しさについてのバラード
/ベルトルト・ブレヒト、テオ・マッケーベン楽団/1929、ベルリン
04. アラバマ・ソング
/ロッテ・レーニャ & スリー・アドミラルズ/1930、ベルリン
05. スラバヤ・ジョニー
/ロッテ・レーニャ & クルト・ワイル=ピアノ/c.1942、ニューヨーク
06. あんたが寝床をつくるように (『マハゴニー市の興亡』より)
/ロッテ・レーニャ & クルト・ワイル=ピアノ/c.1942、ニューヨーク
07. セプテンバー・ソング
/ウォルター・ヒューストン、ヴィクター・ヤング指揮/1944、ロサンジェルス
/ウォルター・ヒューストン、モーリス・アブラヴァネル指揮/1938、ニューヨーク
08. マイ・シップ
/ガートルード・ローレンス、レナード・ジョイ指揮/1941、ニューヨーク
09. チャイコフスキー
/ダニー・ケイ、モーリス・アブラヴァネル指揮/1941、ニューヨーク
10. ジェニーのサガ
/ガートルード・ローレンス、レナード・ジョイ指揮/1941、ニューヨーク
11. ロスト・イン・ザ・スターズ
/ロッテ・レーニャ & クルト・ワイル=ピアノ/c.1942、ニューヨーク
12. ラヴァー・マン
/ロッテ・レーニャ & クルト・ワイル=ピアノ/c.1942、ニューヨーク
13. スピーク・ロウ
/クルト・ワイル=歌&ピアノ/c.1942、ニューヨーク
14. スピーク・ロウ
/メアリー・マーティン &ケニー・ベイカー、モーリス・アブラヴァネル指揮/1945、ニューヨーク
15. モデラート・アッサイ (『三文オペラ』より)
/ヤッシャ・ハイフェッツ=ヴァイオリン、イマニュエル・ベイ=ピアノ/1945、ニューヨーク
16. ムーン=フェイスト、スターリー=アイド (『ストリート・シーン』より)
/ジョニー・マーサー、ベニー・グッドマン楽団/1947、ハリウッド
17. ヒア・アイル・ステイ (『ラヴ・ライフ』より)
/バディ・クラーク、ミッチェル・エアズ楽団/1947、ニューヨーク
18. グリーン=アップ・タイム (『ラヴ・ライフ』より)
/グレタ・ケラー、サイ・ウォルター=ピアノ/1956、ニューヨーク
19.海賊ジェニー
/ロッテ・レーニャ、サミュエル・マトロフスキー指揮/1954、ニューヨーク
20. マック・ザ・ナイフ
/ルイ・アームストロング & ヒズ・オールスターズ/1955、ニューヨーク
Naxos Nostalgia 8.10831 (2007)
ほとんど既知の音源ではあるけれど、さすがにこれだけ並ぶと壮観である。
(まだ書きかけ)