気がついたらずいぶん日が長い季節になった。
こんな上天気に部屋で寝転んでいては勿体ないというので、夕暮時近くなって改めて散歩に出る。途中でカフェに寄り道したあと、海辺まで歩く。白い小ぶりな鳥が群をなして旋回している。家人によればコアジサシだという。
夕方になって風が出てきて波が高くなった。ウィンドサーファーたちもそろそろ帰り支度の様子。
そのあとちょっと別宅の書庫に寄って、数年前の展覧会カタログを探す。整理が行き届いていないので見つかるまで小一時間かかってしまう。
ついでにCDの棚を漁ったら、ロストロポーヴィチの演奏がずいぶんあるではないか。
1997年に東芝EMI から出た「ロストロポーヴィチ ソヴィエト・レコーディングス」シリーズや、ちょっと怪しげなマイナー・レーベル、Russian Disc、Revelation から出たソ連時代の放送録音のたぐいだ。協奏曲だけでもハイドン、シューマン、ドヴォルザーク、チャイコフスキー(ロココ主題による変奏曲)、エルガー、シュトラウス(ドン・キホーテ)、レスピーギ(アダージョと変奏)、ブロッホ(シェロモ)、プロコフィエフ(交響的協奏曲、小協奏曲)、ショスタコーヴィチ(第一と第二)、ヒンデミット、オネゲル、ブリテン(チェロ交響曲)、ボリス・チャイコフスキーがある。ほかにショスタコーヴィチの交響曲第14番を指揮したものや、ヴィシネフスカヤのピアノ伴奏を務めたショスタコーヴィチの「諷刺」、同じくヴィシネフスカヤの独唱、オイストラフ(vn)、ロストロポーヴィチ(vc)、ワインベルグ(pf)という凄い顔ぶれによる「アレクサンドル・ブロークの七つのロマンス」も出てきた。
おいおいこれらを聴き直すことにしよう。楽しみなことだ。
帰り道、八百屋の店頭に新ジャガを見つけた。この季節ならではの小粒の馬鈴薯。コロコロしていて可愛い。これを皮ごと茹でてマヨネーズかバターで食べると旨いのだ。
五月末か六月初めにロンドンに遊びに行ったとき、ハイドパークのカフェテラスでセルフサーヴィスのサラダを皿に盛ろうとしたら、この小粒の馬鈴薯の茹でたのを発見した。プレートを見ると new potatoes とある。呼び方まで同じなので思わず笑ってしまった。