金曜の夜(というか、土曜の早朝)なのでいい気になって夜更し。
NHK衛星放送でローラン・プティのバレエを二本続けて観てしまう。「カルメン」と「若者と死」だ。2005年のパリ、オペラ座(パレ・ガルニエ)公演。
「カルメン」はオペラの洒落たダイジェスト版の域を出ない気がしたが、「若者と死」はいつ観てもいい。小さな大傑作だと思う。明らかにディアギレフの「薔薇の精」のパロディ、というか裏ヴァージョンとわかる少々あざとい設定なのであるが、それを思いつくところがいかにもジャン・コクトーらしい。
かつて古いフィルムで観たジャン・バビレ主演のオリジナル版(1946)とは振付の細部があちこち変更されている気がしたが(1990年の改訂新版である由)、悩める若者が死=女性に魅入られて死んでいくという物語の骨子は同一。今回踊った二人(ニコラ・ル・リッシュとマリー・アニェス・ジロー)は適役だし、たいそう健闘していた。
ここで用いられる音楽がバッハの「パッサカリア」の管弦楽版であることは承知していたが、それがオットリーノ・レスピーギ編曲であることを初めて知った。
もう三時。いくらなんでも、そろそろ寝なくては。