凍てつくやうな寒い日。近所に買ひ物に出るのにも外套と手袋が缺かせない。晝頃から小雪がちらちら舞ひ始め、やがて已んだと思つたら夕刻から再び降り出した。見上げると宵闇で雪が踊つてゐる。
ドビュッシー:
子供の領分
■ グラドゥス・アド・パルナッスム博士
■ ジャンボの子守唄
■ 人形のセレナード
■ 雪が踊つてゐる
■ 小さな羊飼ひ
■ ゴリウォグのケークウォーク
ベルガマスク組曲
■ 前奏曲
■ メヌエット
■ 月の光
■ パスピエ
六つの古代碑銘
■ 夏の風神パンの加護を祈る爲に
■ 名無き墓の爲に
■ 夜の幸あれかしと願ふ爲に
■ クロタルを奏でる踊り子の爲に
■ エジプト女の爲に
■ 朝の雨に感謝する爲に
洋琴の爲に
■ 前奏曲
■ サラバンド
■ トッカータ
洋琴/ジョルジュ・プリュデルマシェール
1994年4月、巴里?
harmonia mundi France HMC 901504 (1994)
「子供の領分」が聽きたいと思つたのだが、ディスクをあらかた手放してしまひ、今はこの盤しか手許に見當たらない。此のプリュデルマシェールの演奏は際立つた感性には缺けるが、相應の技量も程良い喚起力もあつて、ドビュッシーを愉しむのに不滿はない。珍しく「古代碑銘」獨奏版が收録されてゐるのも難有い事だ。其れにしてもドビュッシーはエヴォカティヴな題名を附ける達人だ。