昨日の神奈川往還の疲れからか小生も家人も今日は日がな在宅して過ごす。年末の慌ただしさを暫し忘れたつもりの一日。来年早々また忙しくなりそうだが、まあ、そのときはそのときだ。
今年たまたま手にしたディスクをもう一点ここに記そう。
"20th Century Classics -- Alexander Tcherepnin"
アレクサンドル・チェレプニン:
ピアノ五重奏曲*
弦楽四重奏曲 第二番**
ピアノ三重奏曲***
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲****
無伴奏チェロ組曲*****
ピアノ・ソナタ 第一番
四つの懐古的な前奏曲
十のバガテル
前奏曲 作品85-9
表現曲 作品81-9
即興曲 作品88-4
練習曲 作品56-7
ブルレスケ 作品88-8
ニコライ・チェレプニン:
皇帝の湖 作品16-3******
二つの神秘的な伝説 作品50******
白樺 作品33-14******
秋の歌 作品7-1******
蝋燭は消えた 作品21-3******
ピアノ/アレクサンドル・チェレプニン
弦楽四重奏/パリ器楽グループ* **
ヴァイオリン/ヤン・パスカル・トルトリエ*** ****
チェロ/ポール・トルトリエ*** **** *****
テノール/ニコライ・ゲッダ******
1969年5月27~29日、* ** *** **** *****、
1967年4月4~7日(ピアノ曲)、
1973年12月17日******、
パリ、サル・ヴァグラム
EMI 9 07256 2 (2011)
レコード業界の老舗中の老舗EMIが遂にユニヴァーサルに身売りするというニューズが少し前に伝わってきた。現今の鳴かず飛ばずの惨憺たる状況からみて、こうなるのも時間の問題だったのであろう。ここ数年間というものクラシカルの分野では大した新譜も出ずに専ら過去音源の再発やアンソロジーばかり連発し、挙句の果ては数十枚入り箱物を投げ売り同然の価格で販売していた。もはや商売は死に体なのは誰の目にも明らかだったのだ。
そのEMIがここ二年ほどせっせと出してきた二枚組アンソロジー「
20世紀の古典 20th Century Classics」シリーズは巷間どのくらい評判になっているのだろう? ドビュッシー、ラヴェル、シェーンベルク、ストラヴィンスキー、バルトーク、ヒンデミットからシュトックハウゼン、クセナキス、タヴナー、ペルトまで。
寄せ集めとはいえ流石に腐っても鯛のEMI、半世紀にわたる豊富なステレオ音源は半端ぢゃない。どんなものか試みにプロコフィエフ集を聴いてみたら、凝りに凝ったセレクションなのにちょっと感動した(それらのレヴューは
→ここ、
→ここ)。
アレクサンドル・チェレプニンが晩年パリで吹き込んだ数枚の自作自演LPは遂に日本盤は出なかった。それどころか殆ど話題にすらならなかったと記憶する。1930年代に何度か来日し、「チェレプニン賞」コンクールで伊福辺昭、早坂文雄、松平頼則ら若手作曲家を鼓舞し、楽譜出版(チェレプニン・エディション)まで面倒をみた日本近代音楽界の頼もしい牽引先導役だったのに、三十数年後にはその大いなる恩義をすっかり忘れてしまう体たらくなのだ。まあいつものことなのだが。
(まだ聴きかけ)