こういう標題で昨日に引き続き今日はピエール・ブーレーズのディスクでも紹介しようかと目論んでいたら、パリからの演奏会実況で『ペトルーシュカ』が聴けるではないか。なので急遽そちらに方針転換。例に依ってラディオ・フランスをPC経由で。
パスカル・デュサパン:
Uncut, solo pour orchestre
ドヴォジャーク:
ヴァイオリン協奏曲*
ストラヴィンスキー:
バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版)
Julia Fischer, Violon*
Orchestre Philharmonique du Luxembourg
Emmanuel Krivine, Direction
2011年5月26日
パリ、サル・プレイエル
名匠
エマニュエル・クリヴィーヌ率いるルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団のパリ楽旅の実況である。ここで『ペトルーシュカ』を採り上げるのは初演百周年だからなのか、それとも単なる偶然か。折角ならオリジナル編成による「1911年版」でやればいいのに。
それは兎も角どうにも収まりの悪い曲目編成である。
尖鋭なデュサパンの大音響のあとで民族楽派の朴訥な協奏曲を耳にすると、咄嗟に頭が切り替わらず往生する。しかも独奏嬢はいかにも線が細くて薄味。お上品でお綺麗なだけのドヴォジャークなんて願い下げにしたい。アンコールはイザイの第二無伴奏ソナタとパガニーニの第十三カプリッチョ。流石にこれは巧い。
お目当ての『ペトルーシュカ』は予想どおり、すっきりあっさり、素直で癖のない表現。いかにもこの指揮者らしいのだが、物足りなさも否めない。あくまでコンサート・ピースとしての枠内に留まり、舞台を彷彿させはしないのがモントゥーやドラーティの演奏との決定的な違いだろう。まあそれは無いもの強請りというものか。
これではどうにも不満足。やはり用意したディスクをかけることにしよう。
ストラヴィンスキー:
バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1911年版)
ピエール・ブーレーズ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
1971年5月11日、NY、リンカン・センター、エイヴァリー・フィッシャー・ホール
Sony (Germany) 520021 2 (2005)