矢も楯も堪らず註文してしまったディスク。
デイム・フェリシティ・ロットの近作である。一昨年末に出た英語の歌尽くしのアルバム。
グノー、
サン=サーンス、
アーンが英詞に附曲したシャンソンも興味深いが、ここでの白眉はやはり
アーヴィング・バーリン、
ジェローム・カーン、
コール・ポーター、そしてとりわけ
ノエル・カワードのソング群であろう。
タイトルがまずもって秀逸である。「
私をフロットと呼んで Call me Flott」という。ジェローム・カーンの若書き曲「Call me Flo'」に因んだという洒落っぷり。
"Call me Flott: Felicity Lott & Graham Johnson"
ブッシュ: それは恋する男女 It was a lover and his lass
プーランク: 気紛れ Fancy
ブリテン: 気紛れ Fancie
ホーダー: 森の木の下で Under the greenwood tree
グノー: 泉水は川に混じり The fountain mingles with the river
アーン: ぶらんこ The swing
サン=サーンス: 桜の苗木畑 Cherry Tree Farm
ブリッジ: ああ、そうであったなら O that it were so
ホプキンズ: 憂鬱の歌 A melancholy song
カワード: 愛がすべてなら If love were all ~『ビタースウィート』
カーン: 無線では愛し合えない You can't make love by wireless
ドリング: ナイトクラブの女店主の歌 Song of a nightclub proprietress
バーバー: 寂れたホテル Solitary hotel
ポーター: オーティス嬢は残念がっておられます Miss Otis regrets
バーリン: どうしたらいい What'll I do?
マスト: 連禱 Litany
ウェア: 桟敷席の男の子 The boy in the gallery
カワード: あの子にご執心 Mad about the boy
ブリス: 街から帰って The return from town
ポーター: お医者さん The physician ~『さすらうニンフ』
バーナーズ: 来てアルジャーノン Come on Algernon ~《シャンペン・チャーリー》
フランダーズ&スワン: 私の耳元で一言 A word on my ear
バーリン: ピアノが好き I love a piano
カーン: 私をフロ(ット)と呼んで Call me Flo'(tt)
ノヴェロ: 蜂がブンブン Bees are buzzin' ~『愉しきは言葉』
ハップフィールド: 灯りを消そう Let's put out the light
カワード: パーティはおしまい The party's over ~『言葉と音楽』
ソプラノ/フェリシティ・ロット
ピアノ/グレアム・ジョンソン
2009年頃、ウェスト・サセックス、チャンプ・ヒル、音楽室
Champs Hill CHRCD 003 (2009)
(まだ聴きかけ)