新幹線が開通して青森まで三時間二十分というのは信じられない近さだ。
昨日は
十和田市現代美術館、今日は
青森県立美術館をたっぷり堪能した。いずれも建物が申し分なく美しい。抜けるような晴天だった昨日と、早朝から雪が降り積もる今日との天候の対比も鮮やかな二日間だった。蒙を啓かれ見聞を広めることができたのは大収穫だが、肝腎の展示作品で真に心を奪われたのはシャガールの巨大バレエ背景幕三点(
→これ)だけというのは些か残念だ。
それにしても北国の冬は厳しいものだと実感する。車窓から眺めた青森市街は文字どおり白一色。これが何箇月も続くのだから堪らない。来る日も来る日も屋根の雪下ろしに明け暮れる日常もあるのだ。
列車とバスに揺られ、山海の珍味を味わい、美術館を逍遥する気楽な旅だったが、帰宅するとどっと疲労感が押し寄せる。北の印象を反芻しながら風呂で温まろう。