ちょっと書庫の棚を漁ってみた。1980年代末からの数年間はLPからCDへの過渡期に当たっており、LPを手放す人が多かったのだろう、珍しいディスクが面白いように見つかった。
ポール・ボウルズのLPもこの時期いつの間にか集まったものだ。
もとよりディスコグラフィというより、たまたま手許にあるLP盤を並べた暫定リストであるから、自分用の備忘録としてここに記す。作曲家ポール・ボウルズの存在が戦後も少なくとも50年代には忘れ去られていなかった証しにはなろう。
1)
ポール・ボウルズ:
ニ台のピアノ、木管楽器、打楽器のための協奏曲* (1947)
ダリユス・ミヨー:
ニュー・オーリーンズの謝肉祭
夢
ピアノ/アーサー・ゴールド、ロバート・フィッツデイル
ダニエル・サイデンバーグ指揮 アンサンブル*
Columbia ML 2128 (1950) ※10インチ盤
2)
"Modern American Music Series"
ポール・ボウルズ:
笑劇のための音楽* (1938)
「遠征」の諸場面 Scènes d'Anabase** (1932 詞/サン=ジョン・ペルス)
ノーマン・デロ・ジョイオ:
ヴァイオリンとピアノのための変奏とカプリッチョ***
クラリネット/デイヴィッド・グレイザー*
トランペット/ハーバート・C・ミュラー*
打楽器/エルデン・C・ベイリー*
ピアノ/ウィリアム・マセロス*
テノール/ウィリアム・ヘス**
オーボエ/ジョゼフ・マークス**
ピアノ/ウィリアム・マセロス**
ヴァイオリン/パトリシア・トラヴァーズ***
ピアノ/ノーマン・デロ・ジョイオ***
Columbia ML 4845 (1954)
3)
ポール・ボウルズ:
ピクニック・カンタータ* (1953 台本/ジェイムズ・シャイラー)
フランシス・プーランク:
ニ台のピアノのためのソナタ
ピアノ/アーサー・ゴールド、ロバート・フィッツデイル
ソプラノ/グロリア・デイヴィ、マーサ・フラワーズ*
メゾソプラノ/マレダ・ゲイサー*
コントラルト/グロリア・ウィンダー*
ドラムズ/アル・ハワード*
Columbia ML 5068 (1955)
4)
ポール・ボウルズ:
サルスエラ 『風は残る The Wind Remains』*
(1943 台本/フェデリコ・ガルシア・ロルカに基づく作曲者)
笑劇のための音楽**
ペギー・グランヴィル=ヒックス:
「モロッコからの手紙 Letters from Morocco」*** (1953 詞/ポール・ボウルズ)
ソプラノ/ドロシー・レンツィ*
テノール/ローレン・ドリスコール* ***
カルロス・スリナッチ指揮* ***
アーサー・ウィノグラード指揮**
M-G-M室内管弦楽団
MGM E3549 (c. 1957)
5)
ウィリアム・ウォルトン:
ファサード*
ポール・ボウルズ:
笑劇のための音楽**
朗読/イーディス・シットウェル*
フレデリック・プラウスニッツ指揮 室内管弦楽団*
クラリネット/デイヴィッド・グレイザー**
トランペット/ハーバート・C・ミュラー**
打楽器/エルデン・C・ベイリー**
ピアノ/ウィリアム・マセロス**
Columbia ML 5241 (1958) ※再発盤
6)
"Paul Bowles reads The Delicate Prey and A Distant Episode"
朗読/ポール・ボウルズ
Spoken Arts 855 (1963)
最後に挙げた6)は作曲家ボウルズでなく作家ボウルズとしてのLP。自ら代表的な短篇『
優雅な獲物』と『
遠い挿話』の二篇を朗読している。ニューヨークのステレオ・サウンド・ストゥディオで収録。
このほかに米国現代歌曲集の類には彼の歌曲を収めたものが何枚かある。